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ベーシックインカムの導入国やメリット・デメリットは?日本で導入するか?

投稿日:2018年11月4日 更新日:

ベーシックインカムは
18世紀末に社会思想家トマス・ペインが提唱した制度です。

しかし、本格的に国レベルで
ベーシックインカムを導入している国はないようですが

最近では、ヨーロッパのいくつかの国で検証されたり
試験的に地域で導入しているところもあるようです。

最低限の生活費を無条件で支給されると、
一体どんなメリットやデメリットがあるのか、
多くの人が気になるところですね。

そこで、今日は、

この制度を試験的に実施している国々の事例を紹介しつつ、
どんなメリットやデメリットがあるかを考え、
この制度について見ていきましょう。

 

 

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ベーシックインカムの導入国は?

今の段階では、国レベルで
本格的にベーシックインカムを導入している国はありません。

しかし、地域レベルで導入しているところはあります。

その一例を紹介しましょう。

 

(1)アメリカのアラスカ州

この地域は石油産業が活発で、
そのため州の利益が豊富で、
財源の確保がうまく行ってると聞きましたが、

調べてみるとこの制度は、実はベーシックインカムではなく、
分配金制度のようです。

金額も1年間で1000ドルで、日本円にすると113,311円です。
(今の為替レート113.31円/ドルで計算)

対象は州の居住者全員。

受給条件があり、

  • 申請前に一年以上、1月〜12月までアラスカに居住していること
  • 支給される間ずっとアラスカに住み続けないといけない
    (海外に移住はできないし、数ヶ月海外旅行とか
    海外でワンホリをすると、この分配金はもらえないかもしれません)

 

また、試験的に導入している国、地域もあります。

(2)フィンランド

2017年1月から、
フィンランド政府が試験的な導入を開始しましたが、
ベーシックインカム制度の試験運用を、
終了期限の今年の末から、延長しないと決めました。

  • 対象者:失業中の2000人を無作為に選出
  • 支給額:毎月、一律560ユーロ(約74,300円)
  • 開始年月:2017年1月
  • 試験運用期間:2年間

フィランンドで、
ベーシックインカムを提案した人たちは、
就労者全体と失業手当受給者の両方を対象としていましたが、

フィンランド政府は、
ベーシックインカムのことを良く理解しておらず、
その焦点と範囲を限定的にしていたのが失敗の理由のようです。

フィンランド政府で、
ベーシックインカムに反対の立場をとる人の意見は、
財源の確保ができないというのが、一番の理由みたいですね。

 

 

(3)オランダのユトレヒト

2017年の前半に開始予定のユトレヒトでのベーシックインカム。

  • 期間は2年間
  • 対象:250人のオランダ国民
  • 金額:約1100ドル(約124,000円)

この対象者は、6つのグループに分けられ、
各グループ毎に受給のための労働条件があり、
この条件により、支払額が変動します。

例えば、あるグループでは、
ボランティアをすれば月末に、追加で161ドル(18,243円)支給され、

他のグループでは、前払い支給でお金をもらえますが、
ボランティアをしないと返金しなくてはいけないとか。

実施する側からすると、めんどくさい条件ではあります。

 

 

(4)カリフォルニアのオークランド

シリコンバレーで最も成功を収めているY Combinator社は、
2016年半ばに、オークランドに住む100の家族に、
月1000ドル(約113万円、1ドル113円として)から
2000ドル(約22万円)を支払うことを発表しました。

100の家族は、多様な社会・経済的地位から選ばれたそうです。
また、この人達はアメリカに留まらなくても受給ができます。

 

 

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(5)カナダのオンタリオ州

キャサリン・ウィン首相の決定により、
2017年7月に、以下の制度が開始されました。

  • 対象者:貧困層4000人に限定
  • 期間:3年間
  • 実施内容:ベーシックインカム制度を試験的に導入
  • 受給金額:
    • 年収34,000カナダドル(約2,935,000円)以下の人:
      年間で、最大17,000カナダドル(約1,467,000円)
    • 年収48,000カナダドル(約4,144,000円)以下のカップル:
      年間で、最大24,000カナダドル(約2,072,000円)
      つまり、最大、所得の50%を受給できるということ

しかし

カナダ・オンタリオ州の新首相ダグ・フォード氏は、
この制度の導入実験を打ち切りました。

理由は、おそらくお金がかかりすぎということでしょう。

 

 

(6)スコットランドのグラスゴー

2017年2月に、ベーシックインカムの実験の実施が、議会により可決。

イギリスのベーシックインカムに詳しいシンクタンク
「英国王立芸術・製造・商業振興協会(RSA)」と共同で、
ベーシックインカムの試験的実験を準備中。

 

 

(7)ドイツのベルリン

2014年から、民間人がクラウドファンディングを活用し、
抽選で選ばれた人たちに、
以下の条件でベーシックインカムを提供しています。

  • スタートアップ企業:マイン・グルントインコメン
    (Mein Grundeinkommen: 私のベーシックインカム)
  • 対象者:85人(うち子供10人)
  • 開始日:2014年
  • 金額:1000ドル(約11万6300円)/月
  • 期間:1年間

このクラウドファンディングは、
約55,000人がインターネット上で資金提供を募り、
UBIの給付に必要な資金を拠出。

 

(8)スイス

ベーシックインカムの導入の可否について、
2016年2月に国民投票が行われました。

その結果、反対多数で否決

理由は、財源不足、労働意欲の減退などの意見が多数。

また、平均所得の低い国々から
沢山の外国人がスイスに流れ込む可能性を、懸念する人が多かったようです。

スイスの生活保護対象者は、
収入が月26万円未満の人たちで、支給額は27万円あまり。
27万円が、生活保護支給対象のラインからギリギリ外れる金額です。

これほど物価の高い国では、
ベーシックインカムの支給も難しいでしょうね。

年金支給額は、生活保護受給費よりも更に高いそうです。

すると、年金をこれから受ける人達から
大反対されるのは当然でしょう。

 

 

(9)ケニア

2016年10月に、GiveDirectlyという慈善団体が、
歴史上、最もスケールの大きなベーシックインカムの実験を開始。

  • ①1つ目の実験
    • 開始:2017年前半
    • 受給対象:40の村
    • 期間:12年間
    • 金額:毎月約22.5ドル
  • ②2つ目の実験
    • 受給対象:80の村
      • 2年間の間一定額を受け取る。
    • 他の80の村々
      • 2年間でもらえる合計額を一括で受け取れる。
    • 更に、100の村々
      • 何も受け取らない。

という比較実験。

しかし、この実験で何も受け取れない人たちが可愛そうな気がしますね。

 

 

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ベーシックインカムの導入のメリット・デメリットは?

◎デメリット

ベーシックインカムの財源を確保するのが、
非常に難しいと言われています。

例えば、日本政府も
ベーシックインカムの財源確保について調べたようですが、

夫婦2人で生活している年金生活世帯の
平均消費支出を見てみると、毎月、約24万円になります。

なので、毎月12万円を全ての国民に
ベーシックインカムとして支払ったとすると、

年間で、173兆円もの財源を確保しなければ行けないです。

しかし、現行の社会保障給付費
(年金、医療保険、介護保険、福祉など)の合計が117兆円しかないので、
実現するためには、更に財源を作らなくてはいけないらしいです。

となると、例えば、所得税を更に増やしたり、
高額所得者から財源を提供してもらう
などの対策が必要でしょう。

 

◎メリット

  • 人々が生活するために雇用に縛られる状況から解放し、
    生活費を稼ぐために奴隷のように働くのをやめて、
    当座の生活費を心配したり、失敗を恐れたりせずに、
    長期的に、自分がやりたい活動を
    仕事としてできる社会を実現できます。
  • 低所得者が所得を増やそうと努力をすると、
    政府からの公的支援が減少するので、
    貧困状態から抜け出せない状態を避けられます。
  • 年金や生活保護などの社会保障支出を、
    ベーシックインカムに一元化し、
    行政の無駄を削減することができる。
  • ベーシックインカムで最低限の生活が保障されると、
    企業年金などの福利厚生が整っていない
    非正規雇用の仕事でもやりやすくなります。

 

 

日本で実施する可能性はあるのか?

検討はされているようですが、
財源確保の面から、今の段階では実現は厳しいようです。

また、日本の労働市場は縦割りが強く、
まだまだ終身雇用が強いです。
正規雇用と非正規雇用では、給与水準や福利厚生も大きく違ってて、

また、
正規雇用と非正規雇用を行き来するのは非常に難しいです。

職業訓練について言えば、
転職するために受けるものは、
ハローワークなどを通して受けれる基本的な内容しかなく、
スキルアップして転職が簡単にできない状況です。

このようなことを考えると、
日本でベーシックインカムを導入するには、
労働市場と政府内の改革を行う必要があるでしょう。

 

 

仕事をして得た給料はどうなるのか?

ベーシックインカムをもらいつつ、仕事をしている場合
自分が働いて得た収入は自分のものになります。

なので、給料 + ベーシックインカム
が自分の総収入となるので、生活がとても楽になるのですね。

 

 

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ベーシックインカムの財源確保が難しい場合の対策は?

ベーシックインカムの財源が確保できないとする政府は沢山あります。
日本もそうですが、
こういう問題を解決するには、

①とりあえず、政府内で財源をできるだけ確保する

②足りない分は、クラウドファンディングを介して、
日本国内から資金提供を募る。

②のようなことも可能ですね。

 

 

ベーシックインカムとは?

ベーシックインカムのことを、まだ聞いたこともない人たちもいるので、
この制度の基本的なところについて説明します。

ベーシックインカムは、
年齢・性別に関係なく、全ての国民に、
無条件で、ある一定の金額を皆同じ金額で、
定期的に支給する制度です。

無条件なので、どんな職業についていても、
収入の差、失業中か否かに関係なく、支払われます。

別の呼び名で以下のようなものがあります。
・基本所得保障
・最低限所得保障
・国民配当

この制度の目的は、
全ての国民が衣食住において
最低限の生活を営むことを保障すること」です。

しかし、生存権を保障する制度として、
既に以下のようなものがあります。
・失業保険
・子育て支援
・生活保護

もし、ベーシックインカムが導入されると、
そのための財源を集めるために、
上の保障制度は廃止される可能性が高いです。

そして、国民の生活保障は、
ベーシックインカム一本になるでしょう。

 

 

まとめ

皆さん、いかがでしたか?

ベーシックインカムは、
実現できれば働く人の意欲もでるし、

生活にゆとりがあれば、
新しい目標に向かって、頑張る意欲も出てきます。

仕事がない人は、生活の心配なく、
新しい仕事を、落ち着いて探すことも可能です。

日本では、財源の確保が難しいようですが、
日本国内で年収が高額になる人たちから、
財源を確保したり、

政府内部での政治家の数の無駄を省いて、
財源確保するか、

政治家の収入の無駄を省いて、更に財源を確保してほしいです。

 

これからも検討してほしいものですね。

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