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セミは明るい昼間だけに鳴くと思っていたのに、夜中にも鳴いているのに気づいたことはありませんか?生態がおかしくなったのか?と思いますね。これらの不思議と、鳴かないメスについてスポットをあててみたいと思います。
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真夜中に合唱するセミたち
夜中に、浴室の照明のスイッチを入れると・・
外の木にとまっていたらしいアブラゼミが、
「ジイッ、ジイッ」と鳴き声をあげました。
シャワーの音に神経を高ぶらせたのか、
しだいに本格的に鳴き始めました。
すると、その一匹に刺激されたのか、
近くの公園の街路樹に隠れていたセミたちも、
徐々に鳴き始めて合唱になりました。
真夜中に鳴くセミは、もう珍しい現象ではないらしいのですが、
ここで、おさらいをしておきましょう。
セミが鳴く条件としては、気温と明るさ が関係しています。
セミは、気温が25℃前後の暑い時によく鳴きます。
しかし、雨がザーザー降っていて、
肌寒いような天気の日でも、梢(こずえ)で合唱しているセミたちがいます。
生き物の世界は、これが絶対、というのがないのですね。
また、セミが鳴くのに関係している、明るさですが、
セミは朝から夕方まで、鳴くものだと思われていました。
しかし近年、街灯が多く立ち並ぶようになって夜でも明るくなったのと、
夜も気温が下がらず熱帯夜が続くので、
セミが、昼間が長くなったように勘違い をして鳴いているのです。
この現象は15年以上前から、確認されているそうです。
夜も昼もなく鳴くセミの、この「鳴く」という行為に、
どんな意味があるのか、もっと知りたくなりませんか。
セミの先祖は夜行性のカメムシ
セミは、昆虫の形態学上、カメムシ目に属していて、
夜行性のカメムシの子孫です。
あの、「屁こき虫」です(カメムシは臭いおならをします)。
共通点は、口の先についた、尖ったストローです。
セミは、これを生きた木にさして汁を吸いますね。
セミの方は、大陸を横断しながら進化する過程で、
昼型に変わったとされています。
夜の闇の中で、結婚相手のメスを呼び寄せるために、
あの大きな鳴き声をだすための発音器が発達したともいわれています。
なので、遺伝的には、夜、セミが鳴くことは不思議ではなく、
遠い先祖の記憶にスイッチが入ってしまうこともあるのではないでしょうか。
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真夜中のセミの話し声
真夜中の雑木林に耳を傾けると、アブラゼミたちだと思われますが、
「ジイッジイッ、ジイッ・・・」と短いセミの鳴き声がします。
オスどうしが、お互いの存在をアピールしたり、
お互いの居所を確認し合って安心したり、鳴き交わしているようです。
同じ林の中に、ライバルがどのくらいいるのか、
お互いの間隔を、確認し合っているようでもあります。
セミは、定住性・集団性の強い虫なので、
地上に出てから2~3週間の、お互いの寿命が尽きるまで、
存分に「生きる」ことができるようにという、
お互いの配慮?と思うのは考えすぎでしょうか。
鳴かないメスは聴いているセミ
セミは、よく鳴くオスの方に注目が集まりますが、
セミは、オスメスほぼ同数で孵化するので、
鳴いているセミの周りには、
鳴かないセミであるメスも同じ数だけいることになります。
メスはなぜ鳴かないのかというと、
お腹の中にたくさんの卵を抱えているので、
オスのように、声を拡大させる装置を
体内に備えることができなかったためです。
しかし、オスの方で、
メスを呼び寄せるのに十分な発音器を備えているので、
配偶には問題がありません。
セミの耳 はどこにあるかというと、頭ではなく、お腹の中 です。
腹弁というお腹のふたをめくり上げると、
白い膜のようなものがあり、
ここがセミの感音器で、
この膜に音の振動が伝わって鳴き声を聴き分けているのです。
メスゼミの腹部には、種類と個体によっても差がありますが、
アブラゼミで、200~800くらいの卵があるといわれています。
産卵を終えて寿命をまっとうしたと思われるメスのお腹には、
なぜかまだ200くらいの卵が残っているそうです。
交尾をしたメスは、次の日から、複数回に分けて、おもに老木に産卵します。
成虫したセミの寿命といわれる2~3週間の間に、
羽化⇒成熟⇒配偶⇒産卵 という大仕事をやり終えないといけないので、
大音響で鳴いているオスも大変ですが、メスも地味に忙しいのです。
オスゼミの合唱は、敵が近くにいないことを知らせる安全のシグナルでもあるので、
梢の上の、オスたちの聖歌隊に守られながら、
メスは産卵という使命を終えていくのです。
セミはなぜ鳴くのか・まとめ
オスゼミが大声で鳴くのは・・・
- 鳴かないメスを呼び寄せるため
- ライバルに自分をアピール
- オスの体内に備わった音が拡大される装置・本能による(オスのセミのからだ)
- 仲間の中にいる安心感や高揚感、生きている証明
- 産卵の仕事をしているメスへの応援歌
私はこんな風に感じています。
生き物の世界のことは、
1つのことがわかっても
また別のわからないことがでてくる不思議な世界。
私たちも、セミのように、
「生きている証明」といえることをつくっていきたいですね。
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