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13年、17年も土の中にいるセミ。 素数ゼミの謎。

投稿日:2017年8月26日 更新日:

十数年もの長い年月の間土の中にいるセミ・・・

そのセミの謎を紐解いてみたいと思い書くことにしました。

その長~い地中生活を過ごすセミがいます。

日本の研究者が解き明かすまでは、謎のセミと考えられていたのです。

一体どんなセミなのかについて調べてみました。

 

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土の中にいる周期セミの特別な秘密

北アメリカの一部の地域に、
13年または17年ごとに大量発生するセミがいます。
2004年の夏は、17年ぶりに
50億匹のセミが大発生したというニュースが流れました。

私もそれを読んだ時には、
これは一体どんなセミなのだろうかと考えました。

長い年数を土の中で過ごして、
ピタリとその年の夏に、いっせいに這い出して羽化します。

決まった周期に現れるので、「周期ゼミ」といいますが、
この周期の13と17が数が素数なので、
別名、「素数ゼミ」ともよばれています。

この不思議なセミについて、
これまで複数の研究者が論文を発表してきましたが、
なぜ、その周期が13または17になるのか、
という謎までも明らかにした人は、過去にはいませんでした。

しかし、この謎をとうとう解明したすごい日本人がいたのです。
その人は静岡大学の生物学の教授をしている 吉村 仁教授でした。

まず、そんなに長い年数を土の中でどう過ごしているのか・・・気になりますよね。

その点は、他のセミと変わったところはなく、
木の根に取りついた幼虫が木の汁を吸い、
何回か脱皮をして大きくなります。

長い地中生活の秘密は、
はるか昔、200万年前の氷河期までさかのぼりますが・・・

彼らが、羽化するタイミングを、「温度」から「時間」に変えたことです。

 

地球の氷河期を生き残るため

セミの先祖は、2億年以上も大昔から続いており、
毎年外にあらわれては鳴いていました。
一番古いものでは、白亜紀のセミの化石が発見されています。

そして、氷河期が近づくと、土壌の温度が下がり、
幼虫の成育がだんだんと遅れるようになりました。

氷河期になると、
セミは10年以上かけてゆっくりと成長していくようになり、
そこで自然淘汰もなどもへて、
最終的に生き残ったセミたちが13~18年の周期のセミだったのです。

周期ゼミの長い地中生活は、
この時期の習性の名残ではないか?というのが現在の見解です。

それでも、多くの生き物が絶滅した過酷な環境だった氷河期の中で、
どうやって、周期ゼミは生き抜いて来られたのでしょうか?

北アメリカには奇跡的に、
氷河の影響を受けにくい場所というのがありました。
それは、盆地や谷間で、暖流の流れる狭い場所が、
局所的に残っていたのです。

生き物の避難所のような場所のことをレフュジアといいます。

13~18年周期ゼミたちは、
この狭い避難所で交雑を続けるうちに、
地上に出て羽化するタイミングに、バラつきがでるようになりました。

個体数も減っている上、
羽化しても配偶する異性に出会えなくなり、
いっそう子孫が残せなくなりました。

そこで、生き残ったセミたちは、
同じ年にいっせいに地上に出る性質に変化していったのです。

こうして、北アメリカの特定の地域で、
13年、17年ごとに集団で大発生するセミになったのです。

 

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なぜ、13と17年なのか?素数の力

他の周期ゼミがいる中で、
なぜ、13年、17年の周期ゼミだけが生き残ることができたのでしょうか。

この問題を解くためには、
数字の特性について考えなくてはいけません。
つまり、13と17が素数であるとうところに着目します。

その秘密が、どのように役に立ったのかというと・・・

 

ここで例え話をしますが・・・

ある地域の、15年の周期をもったグループと、
別の地域にいた、18年の周期をもったグループが、
偶然に同じ年に羽化するタイミングになって、交雑しました。

すると、同期性がくずれてしまい、
15、16、17、18年のバラバラな周期をもつ子供たちが生まれてしまいます。

そうすると、同時に羽化する個体数が減り、
同じ年に成虫した異性に出会えなくなります。
数万年かけて、やがて、どちらも絶滅してしまったのでした。

ということは、違う周期のセミと、
同時に羽化し交雑するようなタイミングに出てこないセミの方が、
子孫が多く生き残るのに有利に働くといえます。

つまり、同時に羽化して出会いにくい周期、
素数年の周期をもつセミのグループが生き残れます。

これを数学的な考え方で説明します。

周期の違うセミ同士が交尾をすることを考えた場合、
交尾は何年ごとに出来るのか
、を考えます。
それは2つの数の最小公倍数という事になります。

この場合、その周期は、13年、15年、16年、17年、18年があります。
これらのセミの中から、
違う周期の者同士が交尾をする機会が何年に一回あるのか?

13~18年周期の群れが、同時に発生する周期を、
数が大きい順に並べてみました。

17年 X 18年 — 306年
・16年 X 17年 — 272年
・15年 X 17年 — 255年
・15年 X 16年 — 240年
13年 X 18年 — 234年
13年 X 17年 — 221年
13年 X 16年 — 208年
13年 X 15年 — 195年
・16年 X 18年 — 144年
・15年 X 18年 —  90年

比較的、13や17の素数年の周期をもつセミは、
他の周期の群れと、出会って交雑する機会が少なくなります。

それが、生き延びることができた最大の理由ですが

もう一つ、

同時に集団で発生することで、
捕食者や寄生虫に出会う機会がすなくなくなる

(天敵が食べきれない!)

例えば、13年の周期のセミが12年周期だったとしたらどうなるでしょうか?

その場合、3年や4年毎に発生する寄生虫といつも同時期に発生します。
すると、12年周期のセミはなかなか生き延びれなくなるかもしれません。

しかし、13年周期のセミならば、
3年周期の寄生虫だと39年おき
4年周期の寄生虫だと52年おきにしか、
同時期に発生しなくなるのです。

このようなことから、現在の姿になったということです。

 

参考  「素数ゼミの謎」吉村 仁著(文藝春秋)
参考 http://www.tenki.jp/suppl/romisan/2016/08/18/14811.html
(17年周期、13年周期で大発生!!「素数ゼミ」の謎を日本の研究者が解明した!!)

生存と進化のベースにあるのは「協力」

50億匹もの幼虫が、17年も命を養って暮らせる土壌もそうですが、
周期ゼミが大発生するたびに木が枯れても、
環境を再生できるスケールの大きさはやはりアメリカですね。

近未来における、食糧難に備え、
昆虫食は、高たんぱく低コストな、
環境に優しい食べ物として、注目されています。

太古からの習性を持ち続けるセミたちを、
過去の遺物のように見る人もいますが、
いつ何時、このセミたちが、
人間の飢餓を救ってくれるかわからないものです。

これまでの地球の歴史で、ある一つの種が、
これほど、地球の環境を激変、
悪化させたことはありませんでした。
これからの地球の未来の鍵も、
その一つの種である、人間が握っています。

すべての生き物の在り方を尊重し、
お互いが末永く共存共栄するために
地域固有の自然や生態を大切に守っていく責任と義務があります。

個人であれば、他者を出し抜く方が、
経済的に有利になることが多い現実ですが、
長期的にすべての民族の繁栄にとって最適なのは、「協調と協力」なのです。
生き物の進化の歴史がそれを教えてくれています。

人間が場違いの遺物(オーパーツ)にならないように、
生き物たちの動向を、これからも謙虚に見つめ続け、
起こりうる事態を回避していく知恵を磨き続けたいものです。

参考 http://www.hitachi.co.jp/Prod/comp/soft1/omr/vol65/mathematical/index.html (セミとモンシロチョウが教えてくれた進化の真実)
参考 http://news.ameba.jp/20151231-521/ (近未来に肉や魚より昆虫を食べる習慣が普及する)

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