プロレスラーの高山さんが、5月4日の大阪でのしあいで、回転エビ固めをかけた時に頭からおちて動けなくなり病院に搬送されたそうです。
そして、手術を受けられたそうですが、その結果は頸髄完全損傷というものでした。
高山さんのプロレスは私も以前見たことがあるし、このニュースを聞いてとてもつらかったです。
なんとか、今の医学の技術で治してもらうか、少なくとも、歩けるくらいに治せる方法がないものかと考えました。
そこで、この怪我について、私は医療の専門家ではありませんが、ネットで調べてこれは・・・と思えるようなサイトにある情報について書いてみたいと思います。
目 次
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頸髄損傷とは?
まず、この怪我がどんなものかということですが
人間が自分の体を動かすメカニズムというのは、まず、脳で手を動かそうと意識すると、その指示が脊髄から神経を通して手に送られます。すると、手が動くということですが、その時、手で鉛筆を握ってみると、その感触が今度は、神経を通して脊髄を通って脳に送られて、その硬さとか重さとかの情報が脳で理解されるというものです。
今までの医療では、この脳脊髄が損傷を受けるとそれをなおすことは不可能でした。もし、この脊髄が完全に断裂してしまうと、脳からの信号は体の各部には送れなくなります。
脊髄は頚椎の中の中央にある脊柱管と呼ばれる骨の管の中にあります。もし、何か事故などでその脊柱管が損傷し、脊髄が損傷することが頸髄損傷と言います。
この損傷が軽ければ、時間が経過すると軽くなる場合もあるようですが、重度に損傷した場合には麻痺が残ってしまう可能性が非常に高くなるらしいです。
参考URL: http://www.murayama-hosp.jp/topics/illness/keitsuisonsho.html
脊髄損傷の治療は?
今幹細胞の治療がだんだん行われてこようとしています。
一つは、細胞の移植療法で、脊髄の損傷している部分にiPS細胞を使う方法です。iPS細胞とは、幾つかの種類の遺伝子を使い体細胞を初期化して作り出したES細胞に似た性質をもつ人工多能性幹細胞のことです。これを本人の体細胞を初期化するか、または、ドナーから採取した組織から作ります。マウスの実験では、脊髄損傷したマウスで運動機能が改善されたのが確認されています。
次に、幹細胞増殖因子(HGF)と呼ばれるものを補充する方法があります。これは既に臨床での応用が始まっています。
村山医療センターというところでは、既に数人の患者さんにこの方法を実施いるそうです。
参考URL: http://www.murayama-hosp.jp/topics/illness/keitsuisonsho.html
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米国の学会─脊髄損傷への幹細胞治療が実現目前
米国の記事では、脊髄損傷に関する幹細胞治療についてのある文献が紹介されました。
これを紹介した学会は、米国整形外科学会(AAOS)という学会です。
脊髄を損傷した患者へ幹細胞治療をするためのレベルの高い基礎的な研究が行われていて、また、人に対する臨床試験も進んでいるそうでする
幹細胞が何故脊髄損傷に有効であるかというと、自己複製機能と多分化脳をもっているからです。これは自らの損傷している臓器を複製する機能、また、多分化脳はある細胞がからだの如何なる部分の細胞にもなりうる可能性をもっているという意味です。つまり、幹細胞のことです。
詳細についてはこちらを御覧ください。
札幌医科大での臨床試験の開始発表(2014年1月)
この記事をみてみると、札幌医科大が2014年1月10日に、脊髄を損傷した患者の骨髄から幹細胞を取り出して培養し、患者の静脈に投与し、脊髄の神経細胞の再生を試みる治療方法の臨床試験を開始すると発表しています。
この大学に、それ以降の臨床試験の進み具合などを確認するのもいいかと思います。
しかし、ここに書いてあるのは、損傷してから14日以内の患者を募集してたそうです。
幹細胞治療での問題点
幹細胞治療に関して現在ある問題点は、
- 患者の細胞からiPS細胞を作り、それから神経幹細胞を誘導して、培養し、移植に十分な細胞数にまで増やすには、少なくとも半年以上かかる。
- 安全性の確認も必要
- それに対して神経幹細胞移植は、亜急性期の間に移植しなくては効果が期待されないようです。
- 治療費が莫大になる。
このような問題が現在あり、そのためなかなかまだ現実化するのは難しいところがあるみたいです。
脊髄の損傷後から、急性期→亜急性期と時間が経過していくそうですが、急性期の間は損傷した部分に炎症反応が強く起きている時期で、その後から亜急性期と呼ばれる時期に入り、その時期になると症状がだんだん落ち着いてくるようです。この亜急性期の前半が、幹細胞治療の効果が出やすい時期になります。
しかし、この治療効果が出やすい時間の枠は、亜急性期の後期から慢性期の早期に入るとななくなってしまうそうです。
そして、幹細胞研究では、この亜急性期を過ぎてしまい慢性化してしまっている患者さんにどうやって幹細胞治療の効果をもたらすことができるかというのが課題です。
慢性期脊髄損傷に対する治療法の研究
そういう中で、慢性期に入った脊髄損傷に対して神経幹細胞移植を別の治療法と一緒にすれば効果が出て来るという研究成果が出てきているようです。
詳しくは、以下の参考URLを御覧ください。
参考URL:iPS細胞で脊髄損傷が治る? – 再生医療を実現するための三位一体の治療戦略とは
最後に
今のところまだ臨床試験レベルの段階かもしれませんが、とにかく諦めずに、どこかの病院でテスト的にでも幹細胞治療をしてくれるところがないか探したほうがいいと思います。
周りの人で高山さんに力をかしてくれる人が少しでも沢山いる事を祈ります。
下の記事には、募金の呼びかけがされています。少しでも募金をしてあげようと思います。ちりも積もれば山となるです。
たとえ、時間がかかっても、必ず近いうちに慢性化した脊髄損傷部位にも有効な幹細胞治療が開発されると思います。
参考記事:高山善廣は頸髄完全損傷「回復の見込みなし」、親友の鈴木みのる涙
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