神社・仏閣

お祓いの神はどんな神?祓戸大神は四神?その役割は?

投稿日:2017年11月14日 更新日:

個人や社会のツミケガレは誰が祓ってくださるのでしょうか。神社の祭祀やお祓いの儀式に活躍される、禊(ミソギ)と祓(ハライ)をつかさどる神々についてご紹介します。

 

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お祓いを担当する神

神社に参拝すると、お宮参りの家族や、
会社の団体がお祓いを受けている場面に遭遇することがあります。

そのときに、神職さんが奏上しているのが、
神道の最高祝詞(ノリト)である、

大祓詞(おおはらいのことば・おおはらえのことば)です。

この祝詞に登場し、
禊(ミソギ)と祓(ハライ)を司る神のことを、
祓戸大神(はらえどのおおかみ)といいます。

祓戸(祓所・祓殿)という、
祓いを行う場所に祀られる神 という意味でもあります。

この神は、四神(四柱の神)で、
速開都比売神以外は、神話に登場しない神々です。

瀬織津比売(姫)神
せおりつひめのかみ
川の神
速開都比売(姫)神
 はやあきつひめのかみ
 海の神
 気吹戸主神
 いぶきどぬしのかみ
 風(息吹)の神
 速佐須良比売(姫)神
はやさすらひめのかみ
地底・霊界の神

四神のうち「姫」と書いてある三神が女神です。
環境の浄化は、おもに女性が担っているということですね。

瀬織津比売(姫)神は川の神です。
川の水は、飲み水となり、
動植物の成長と生命維持にかかせないものです。

速開都比売(姫)神は海の神です。
海は、言うまでもなく、すべての生命の源です。

気吹戸主神は、息吹の神です。
息吹は呼吸で、人間は呼吸ができる地上で一生を送ります。

速佐須良比売(姫)神は、地底の神です。
地底(霊界)の支えがなければ、地上(この世)もありません。

 

瀬織津比売(姫)神

セオリツヒメノ神さまは、
勢いよく流れ下る川の水の威力によって、
人間や社会の禍事・罪・穢れを大海原に押し流してくださる神です。

禍事(まがごと)とは、曲がっていること。
まっすぐでないこと。正しくないこと。
とは汚れが降り積もっていること、汚れに包まれていること。
また、ツツシミを忘れて我欲にまみれた状態のこと。
穢れ(ケガレ)とは、「気」が枯れた状態のこと、
単純にヨゴレそのものをいう場合もあります。

生き方や考え方が偏ったままいくと、
物事が円満でなくなり、禍事(正しくない状態)となります。
曲がったところから、
気枯れが生じ、汚れがたまって、ツミケガレになるのです。

『大祓詞』には、

「高山の末 短山の末より さくなだりに落ちたぎつ
速川の瀬に坐す 瀬織津比売という神 大海原に持ち出でなむ」

とあります。この意味は、

「高い山、低い山の頂上から、
勢いよく流れ下って渓流になるところの、

流れの速い瀬にいらっしゃるセオリツヒメノ神という女神が、
(祓い清められた罪穢れを)大海原に持ち去ってくださるでしょう」

となります。

罪ケガレに包まれた人々の身を、川の霊力でもって禊(身削ぎ)して、
生まれたままの姿に戻してくださる神でもあります。

速川の瀬は、「三途の川」でもあるといわれています。

 

速開都比売(姫)神

イザナギノミコトが死の国(黄泉の国)から帰還して、
死の国のケガレを祓い清めようと、禊をした時に、
その禍(まが)を直そうとして生まれたのが、

神直日神、大直日神、伊豆能売神(イズノメノ神)の三神です。

この、伊豆能売神(イズノメノ神)が速開都比売(姫)神
同神であるといわれています。

イズとは、「厳」のことで、
斎(いつき)=物忌みして神につかえること、に由来します。
罪穢れを潔斎して、神聖さを取り戻したことをあらわす神です。

『大祓詞』では、

「此く持ち出で往なば 荒潮の 潮の八百道の 八潮道の 潮の八百会に坐す

速開都比売といふ神 持ち加加呑みてむ」

とあります。

この意味は、

「このようにセオリツヒメノ神のお働きで持ち出された罪を、
今度は、もはや人が行くことができない大海原の、
たくさんの潮流が合流して渦巻くところにいらっしゃる、
ハヤアキツヒメノ神いう女神が、
渦潮の威力でもって呑み込んでしまわれることでしょう」

となります。

海の神であるハヤアキツヒメノ神が、
大海に流れ出た罪穢れを勢いよく呑み込んでしまいます。

祓戸大神は、個人と社会のツミケガレだけでなく、
人間が汚した地球環境の浄化をも担当する、
ダイナミックな神々であることがわかります。

 

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気吹戸主神

 

『大祓詞』では、

「此く加加呑みては 気吹戸に坐す 気吹戸主といふ神 根国底国に気吹放ちてむ」

とあります。

この意味は、

「このように、ハヤアキツヒメノ神によって呑み込まれた罪は、
海底にあって、根の国・底の国(地底、黄泉国)に通じる門扉に構えていらっしゃる、
イブキドヌシノ神が、海原に発生する風の霊力によって、
根の国底の国に向かってフウーと吹き祓ってしまわれるでしょう」

となります。

ハヤアキツヒメノ神が海に呑み込んだ罪穢れを、
今度は風の神であるイブキドヌシノ神が、
根の国底の国(地底、霊界)に吹き放ちます。

日本の神話には、完全な「悪」はありません。
かわりに、禍(まが)とか邪(じゃ)という表現をします。
邪はヨコシマともいいますね。

本来まっすぐだったものが、曲がったり、ヨコに反れたり、というわけです。

イブキドヌシノ神は、イザナギノミコトがミソギハライした時に生まれた神、
神直日神・大直日神と同神であるといわれます。

罪穢れを祓い清め、曲がった状態をまっすぐに直し、
直霊ナオヒと読み、
古神道におけるハイアーセルフの分霊、
その人の神性の中心)
肉体人間(エゴや自我がある)を
ムスビ直す働きをされるのかもしれません。

 

速佐須良比売(姫)神

『大祓詞』では、

「此く気吹放ちては根国底国に坐す 速佐須良比売といふ神 

持ち佐須良比失ひてむ 此く佐須良比失ひては」

とあります。

この意味は、

「このようにイブキドヌシノ神によって吹き祓われた罪は、
根の国底の国に住むハヤサスラヒメノ神が受け取って、
(意訳・人類が自らの智恵により解決する時まで)
さすらって浄化し続け消滅してくださるでしょう」

となります。

そして、大祓詞の最後にある「罪という罪はあらじ」という状態になります。

大祓詞の最後の部分は、
人類が生み出した核のゴミを地下に埋め込むことを、
予言しているのではないかといわれています。

原発の核のゴミは、最低でも10万年、
完全に無毒になるのに、100万年かかるといわれています。

ハヤサスラヒメノ神さまに、
100万年以上、さすらって頂かないといけないわけです。

 

地上と人生を晴れ舞台に

祓戸の大神は、
外面(地表)に発生したケガレをハライ、
内面(地底)に沈殿したケガレをミソギしてなくしてしまい、

ハレ(気枯れの回復・ハレ舞台のハレ)の状態にしてヨミガエリさせる、
素晴らしいご神徳があることがわかります。

祓戸大神を祭る神社の総本宮は、
滋賀県大津市に鎮座する、佐久奈度神社(さくなどじんじゃ)です。

琵琶湖から流れ出る瀬田川のそばにある神社で、
この瀬田川の流域一帯の大自然がご神域のようです。

祓戸大神を主祭神とする神社は少ないので、
ご興味のある方は、総本宮を参拝されるのが良いでしょう。

年末のお祓いはなぜ必要?ミソギハライの原点から。

年越の大祓いとは?禊と祓いの違いは?お勧めの神社は?

 

 

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