皆さん、こんにちは。
断食やケトジェニックダイエットを調べていくうちに、
ケトン体の仕組みがとても関心が出てきて、
色々調べてみました。
そこで、今日は、ケトン体とは何か、ケトン体の
検査方法、ケトン体の作られ方、ケトーシスとは?
ケトーシスの症状について、調べた事を紹介します。
目 次
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ケトン体とは?
ケトン体は、私達の体が普段エネルギーにして
いる炭水化物や脂肪、タンパク質とは根本的に
違う燃料源で、
炭水化物を極端に制限した時や、激しい運動をした後、
飢餓状態にいる時に、糖質が体内で枯渇してしまい、
糖質をエネルギー源として利用するかわりに、
脂肪をエネルギー源として利用し、脂肪をケトン体に
変換して体の臓器や脳のエネルギーとして利用します。
ケトン体の検査方法は?
ケトジェニックダイエットや断食をしている時は、
今、ケトン体の血中濃度がどのくらいか知りたく
なることが良くあります。
そういう時には、
などがあります。
血液から測定するケトンメーターは、今のところ
日本国内では、見つけられませんでした。
ケトン体の合成は?
ケトン体の元は、アセチルCoAという物質ですが、
通常、このアセチルCoAは、
- 炭水化物が体内で糖になり、その糖を代謝する過程
(解糖系) - タンパク質が体内でアミノ酸になり、アミノ酸を
代謝する過程 - 脂肪が脂肪酸になり、その脂肪酸を代謝する過程(β酸化)
で生成され、クエン酸回路(TCA回路)で
エネルギー(ATP)を産生します。
この反応は、多くの臓器で起きていますが、
主に、肝臓で行われています。
ケトジェニックダイエットで低炭水化物・高タンパク質、
または、低炭水化物・高脂肪食の食事をしたり、
断食で体内が飢餓状態にある時、激しい運動を
した時に、体内で糖が不足します。
すると、クエン酸回路でアセチルCoAを利用できず、
エネルギー不足になります。
すると新しいエネルギー源が必要になるので、
脂肪酸が肝臓で代謝されて生じたアセチルCoAの
一部から、ケトン体の一つ「アセト酢酸」が合成
されます。
次に、3-ヒドロキシ酪酸デヒドロゲナーゼ(酵素)が、
アセト酢酸からβ-ヒドロキシ酪酸を作ります。
その次に、非酵素的にアセト酢酸を脱炭酸して
アセトン作ります。
- アセト酢酸:(acetoacetic acid/AcAc)
- β-ヒドロキシ酪酸:下の2通りの名前がある
(この他にもあるがここでは省略する)- β-Hydroxybutyric acid(β-HB or BHB)
- β-hydroxybutyrate acid(β-HB or BHB)
- 日本語では、3-ヒドロキシ酪酸とも呼ぶ
- アセトン:acetone
脂肪酸と違い、ケトン体(BHB、AcAc)は水溶性
なので、特別な運搬タンパク質の助けなしで、
血流により肝臓以外の臓器、例えば、心臓や筋肉、
腎臓などに運ばれて、これらの組織の中で
アセチルCoAに変換されてから、クエン酸回路に
入って消費されます。
脳での利用は?
脳は、血中ケトンレベルが高くなると利用されます。
脳は、通常グルコースだけをエネルギー源にし、
脂肪酸を直接エネルギーとして使えません。
脂肪酸は、血液脳関門を利用できず通れないからです。
そのため、断食中、飢餓時、インスリン欠乏による
糖尿病の場合やケトジェニックダイエットをして
いる時は、ケトン体(アセト酢酸)は、水溶性物質で
血液脳関門を通過できるので、アセト酢酸が
脳関門を通過した後に、再度アセチルCoAに戻されて、
脳細胞のミトコンドリアのTCA回路で、エネルギー
として利用されます。
BHBとAcAcは活発になる?
通常、BHBとAcAcが、体内で循環させられる割合比は、
1 : 1 ですが、ケトーシスになっている時は、
断食であれ、ケトジェニックダイエットであれ、
6 : 1 にまで変化します。
BHBのほうがより活発になるわけです。
アセトンは最終代謝物
BHBは活発で安定したケトン体ですが、アセトンは
基本的に代謝の過程で作られる廃棄物で、
ごく少量しか作られず、揮発性が高いので、
呼気中に放出されます。
アセトンは、このように最終代謝物なので、
エネルギーに変換できません。
また、アセトンは尿からも排泄されます。
参考URL
- ケトン体合成:
http://www.sc.fukuoka-u.ac.jp/~bc1/Biochem/ketone.htm - Serotec/ケトン体:
http://serotec-labo.com/?page_id=1113 - Bio-Science/ケトン体の生成と利用:
https://lifescience-study.com/1-genelation-and-use-of-ketone-bodies/
ケトーシスとは?
ケトーシスとは何?
ケトーシスとは、ケトン体(アセト酢酸、β-ヒドロキシ酪酸、
アセトン)の血中濃度が高くなっている状態です。
(具体的な濃度については、後述)
ケトーシスのときには、グルコースではなく脂肪が
エネルギーとして利用されますが、その仕組みは、
脂肪組織の中で中性脂肪が遊離脂肪酸に分解され、
肝臓に運ばれて、そこでケトン体が合成されます。
ケトーシスになると、最初は吐き気や、嘔吐などの
消化器系の副作用が出ますが、ケトーシスに体が
適応すると、これらの副作用は自然になくなります。
ケトン体は酸性物質なので、ケトン体の量が増えすぎると、
血液が酸性に傾き、ケトーシスからケトアシドーシスに
体の状態が変わります。医学的には、
糖尿病ケトアシドーシスと呼びます。
通常は、ケトアシドーシスにならないので、心配しなくて
良いでしょう。
血中ケトン濃度は?
軽いレベルは?
軽いケトーシスの場合は、血中ケトン体濃度は
- 0.2~0.5 mmol/l の範囲
です。
次の段階の「栄養学的ケトーシス」とは?
次に、栄養学的ケトーシスに入ります。
このケトーシスでは、二段階に分かれていて
- 一番目の段階:0.5~1.5 mmol/l
- 二番目の段階:1.5~3.0 mmol/l
となります。
1.5~3.0 mmol/l の範囲は、
減量で最高の結果をもたらす事が可能です。
この最高の結果をもたらす数値の範囲に、
より長くいればいるほど、より多くの
脂肪が燃焼し、より大きな減量効果が期待できます。
栄養学的ケトーシスに到達するには、1日の
炭水化物の摂取量を 50g以下に制限します。
そして、体内の血中ケトン体濃度が 0.5mM以上に
なり、そのレベルを維持している状態が、
栄養学的ケトーシスです。
0.5~3.0mMの範囲に到達する時間は、人により
ばらつきがあります。
数日でなる人もいれば、特に糖尿病の人の場合、
1~2週間もかかる場合もあります。
特に、糖尿病の人は専門医に相談しながら
するのをおすすめしますよ。
血中濃度は、ケトンメーターで測れます。
ケトー適応
0.5~3.0mMの範囲に入ると、次に「ケトー適応」
と言う段階になります。
体がケトン体からエネルギーを得る仕組みに、
適応していき、その恩恵がフルに得られるように
なっていくわけですね!
それで、どういうふうに進んでいくのか興味が
あるところですが…
最初の数週間
この段階に入って、最初の数週間は、運動を
しても持久力があまりない感じがするかも知れ
ませんが、これは3~6週間で解消します。
その後の2~3ヶ月
その後の2~3ヶ月の間は、脂肪がきれいに燃焼
されるようになり、効率的に脂肪からエネルギーが
得られるように体が変化していきます。
すると、ケトン体の恩恵が全て得られるように
なりますよ。
(参考URL: https://blog.virtahealth.com/how-do-i-get-into-nutritional-ketosis/)
ケトン体濃度一覧
各段階でのケトン体濃度の一覧です。
実際に、KDを実行する時にケトンメーターを使い
自分の血中ケトン体濃度を測定して、どの段階なのか
調べるとモチベーションが上がりますよ。
段階 | 血中濃度(mmol/ミリモル) |
ケトーシスになっていない | ~0.2 |
軽いケトーシス | 0.2~0.5 |
栄養学的ケトーシス(生理的ケトーシス) | 0.5~3 |
運動後ケトーシス | 2.5~3.5 |
飢餓時/断食時のケトーシス | 3~6 |
ケトアシドーシス | 15~25 |
▲参考書籍:
Volek, Jeff S.; Phinney, Stephen D. (2012). The Art and Science of Low Carbohydrate Performance. Beyond Obesity.↓
書籍の詳細事項
- 題名: The Art and Science of Low Carbohydrate Performance
(低炭水化物パフォーマンスの技術科学)
- 著者:Jeff S. Volek
- 言語: 英語
- ISBN-10: 0983490716
- ISBN-13: 978-0983490715
- 発売日: 2012
ケトーシスの症状は何?
ケトーシスになった時は、以下のような症状が見られます。
- 息が臭くなる
- 体重が減る
- 血中のケトン体濃度が高くなる
- 呼気と尿の中のケトン体濃度が上がる
- 空腹感が抑制される
- 集中力とエネルギーがます
- ケトジェニックダイエット開始直後の倦怠感
- 初期の便秘と下痢
- 不眠
糖尿病ケトアシドーシスとは?
糖尿病ケトアシドーシス(DKA)は、糖尿病の高血糖性の急性
代謝失調であり、インスリンが欠乏したり、コルチゾル・
アドレナリンなどのインスリン拮抗ホルモンが増加すると、
インスリンの作用が弱まり、急に発症します。
インスリンが不足すると、血液中のぶどう糖を代謝でき
なくなり、高血糖状態になります。
すると、体はその代わりに、脂肪を分解してケトン体を
作り出し、ケトン体の血中濃度が急に増えること
(高ケトン血症)で、血液が酸性に傾き
(この状態をDKAと呼ぶ)、肝臓・腎臓などの臓器の
機能に異常をきたしてしまいます。
血中のケトン体濃度は、15~25 mmolの範囲に
なります。
DKAの多くは、1型糖尿病で見られますが、近頃は、
清涼飲料水を多飲する2型糖尿病でも見られます。
後者のほうを、ペットボトル症候群
(清涼飲料水アシドーシス)と呼びます。
症状と治療
糖尿病ケトアシドーシスは、若い人に発生しやすいです。
DKAは、急に発症してから24時間以内に、症状が進展
します。
DKAが起きる原因は、病気、間違った食事、
インスリンを全く投与してないなどがあります。
症状は、高血糖、悪心、嘔吐、腹痛などの消化器系の
症状で、また、グルコースが大量に排泄されることで、
体液や電解質が体内から失われ、脱水状態になります。
脱水すると、低血圧や頻脈が表れます。
呼吸は深く速い呼吸になり、吐く息はアセトンが
含まれるので、果物のような香りがします。
まれに、脳浮腫になることもあります。
脱水症状やアシドーシスの症状がひどいと、
意識障害、昏睡にまで発展し、処置が遅れてしまうと、
死に至る恐れもありますので、緊急な対応が必要です。
まとめ
皆さん、いかがでしたか?
ケトン体は、断食やケトジェニックダイエット、
激しい運動をした後などで作られますが、
私が断食で体験した事を紹介すると、
- 集中力が高まる
- パフォーマンスが非常に良くなる
- 体の疲れがなくなり、快調になる
などですが、言葉では表せない意識の高まりが
あります。
これを一回経験すると、またそれを経験したくなるほど
です。
ケトン体は、私達の体が持つ生命を維持するための
仕組みなのでしょうね。
(*^^*)
この記事で紹介した内容をまとめると
- ケトン体とは、脂肪から創られた非常に効率的な
エネルギー源で、炭水化物を極端に制限した時や、
激しい運動をした時、飢餓状態のときに、体内で
糖質が枯渇する事により、その代替的手段として、
自然に作られる物質です。 - ケトン体を検査するには
血中ケトン体濃度を測るケトンメーター、
呼気式ケトンメーター、
尿中ケトン試験紙
の3種類があります。日本で購入できるのは、
呼気式と試験紙です。 - ケトン体の合成の仕方
- 通常のエネルギー産生について説明し、
ケトン体の合成、脳でのケトン体の利用、
BHBがAcAcよりも活発になること、そして、
アセトンは最終代謝物で呼気より排泄される事を
説明しました。
- 通常のエネルギー産生について説明し、
- ケトーシスについて
- ケトーシスとは、体が炭水化物ではなく、
脂肪を主要なエネルギー源として利用する
自然な代謝の状態のことです。 - ケトーシスになるには、低炭水化物の食事をします。
- 軽いケトーシスは 0.2~0.5mmol
- 栄養学的ケトーシスは、0.5~3.0mmol
- 特に、1.5~3.0mmolになると、減量効果が大きくなる
- 栄養学的ケトーシスになるには、
1日50g以下の炭水化物しかとらない - 栄養学的ケトーシスに到達するには、
数日~1~2週間かかる - 栄養学的ケトーシスに到達すると、その後、
ケトー適応の段階に入る - ケトー適応に入り 2ヶ月3週間~4ヶ月2週間で、
脂肪を効率的に燃焼しエネルギーが
得られるようになる
- ケトーシスの症状
- 息が臭くなる
- 体重が減る
- 血中のケトン体濃度が高くなる
- 呼気と尿の中のケトン体濃度が上がる
- 空腹感が抑制される
- 集中力とエネルギーがます
- ケトジェニックダイエット開始直後の倦怠感
- 初期の便秘と下痢
- 不眠
- ケトーシスとは、体が炭水化物ではなく、
- ケトン体濃度の段階表の紹介
- 血中濃度
- 軽いレベルは、0.2~0.5 mmol/l
- 栄養学的ケトーシス
- 一段階目:0.5~1.5 mmol/l
- 二段階目:1.5~3.0 mmol/l
- 減量で最高の結果を出す事ができる
- 炭水化物の摂取を、1日50g以下にする
- 数日から1~2週間でこのレベルに
到達できます - 一段階目でケトー適応に入る
- 最初の数週間は、持久力があまりない
- その後、2~3ヶ月は、脂肪がきれいに
燃焼するようになり、ケトン体の恩恵が
フルに得られるようになります
- ケトーシスの症状を紹介
- ケトン体の濃度を段階的に紹介
- ケトーシスになっていない~ケトアシドーシスまでのケトン体濃度を一覧で表示
- 糖尿病ケトアシドーシス
- インスリン不足が原因で、血液中のぶどう糖の
代謝ができなくなり、高血糖状態になります。
そして、体が脂肪を分解してケトン体を作り、
ケトン体の血中濃度が増加して、血液が酸性に
傾く事をケトアシドーシスと呼びます。 - ケトアシドーシスになると、高血糖、悪心、
嘔吐、腹痛、脱水などになり、意識障害や
昏睡にまで発展したり、時には死に至ることも
あるので、緊急な対応が必要です。
- インスリン不足が原因で、血液中のぶどう糖の
となります。
皆さんも、ダイエット頑張ってみてくださいね。
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