皆さんこんにちはぁ。
博多豚骨ラーメンズの記事を最近書いてますけど、
この小説、2018年1月にアニメ化するんですよ。
それで、アニメ化になると音声も入るので、
博多弁がわかるかなって気になりませんか?
そこで、ここでは博多弁にはどんな表現の仕方があるのか見ていきます。
まずは、博多豚骨ラーメンズのストーリーをみながら、博多弁について話していきますね。
※以下のセリフの引用は、電子版の博多豚骨ラーメンズの小説のページ数からの引用です。
目 次
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馬場探偵と重松刑事が警固公園で落ち合う
↑警固公園
重松刑事が馬場探偵に対して、早く来たなと言ったとき、馬場はこう答えました。
─「博多もんは、せっかちやけんね」
(博多豚骨ラーメンズ第一話 P37より引用。以下ページ数だけ書きます。)
馬場さんは博多者はせっかちといいますが、その意味は、都会の子はせっかちだから、ともとれます。福岡市民でも田舎、そして、市街の田舎の方にいる人達は、のんびりした人たちもいると思います。
だけどぉ、私の同級生をみてみると、特に男子はせっかちなやつおおいですね。
それでは、上の台詞の意味を見ていきますね。
【説明】
「博多もん」とは、「博多者」の意味。
また、「せっかちやけんね」の「や」は、断定助詞の「や」「よ」です。
「せっかち(だ)」+「や」+「けん」+「ね」と分解出来ます。
「せっかちだ」+「や」→せっかちや
となります。それで、性急だ、落ち着きがないという断定的な意味になるのです。(断定助詞の「や」)
「けん」は「から」
つまり、「せっかちやけんね」→「性急だからね」となるのです。
【例】
- そうやろ?→そうでしょう?
- そうよ→そうだ
- 違うんや→違うんだ
- 忙しいんやったら→忙しいんだったら
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─「疲れた顔しとるばい。休む暇もないんやろ?」
馬場探偵が重松刑事に言った言葉です。(P37から引用)
【説明】
これは、断定の助詞「ないんだろ」の「だ」が、博多弁の場合、「や」に変わる用法です。「休む暇もないんだろう?」という意味。
しかし、博多弁の場合、「休む暇もなかやろ」とも言います。
形容詞の「ない」は、博多弁では「なか」と、「い」をとって、「か」をつけるんです。
→「休み暇もなかやろう?」と、こんな感じですね。
─「ばってん、そうとは限らん」
(↑P38から引用)ある刑事が首をつって死んでいたのが発見された事について、重松刑事が、その刑事が残した遺書のことを、馬場探偵に話した時に、馬場が言った言葉でした。
これは前に相手が言ったことについて、異論や反論を言う時に使います。
まあ、福岡で友達と話す時には、
「ばってん、そうとは限らんばい」→「でも、そうとは限らないね」
「ばってん、そうとは限らんっちゃけん」→「でも、そうとは限らないのだから」
「ばってん、そうとは限らんとやないとー?」→「でも、そうとは限らないのじゃないのかな?」
とか言いますね。
【説明】
「ばってん」は、「でも」「しかし」
「そうとは限らん」は、「そうだとは限らない」
動詞の非定型の「ない」は「ん」となります。
その具体的な事例を次に紹介します。
【例】
- せん→しない
- 好かん→好きじゃない
- 寝らん→寝ない
- 食べん→食べない
- しきらん→出来ない
- 知らん→知らない
─「思っとるっちゃろ?」
(↑P38から引用)馬場が重松デカに、でも、そうとは限らないと思ってるんでしょう?と、言う時のセリフですね。
【説明】
思っとる→思っている(現在進行形・状態)
思っとるっちゃろ?→でしょう?(語尾につける助詞)
【とるの例】
- 空いとる→空いている
- 混んどる→混んでいる
【「ちゃ」の例】
- お前しっとったっちゃろ?→あなた知ってたんでしょう?
- こればりむずかしっちゃん→これはとっても難しいんだよ
- 服ぬいだっちゃん→服脱いだの
─「うすうすわかっとったわけか」
(↑P.39から引用)自分が殺されることを、うすうす察知していたわけか、と言う意味で、馬場が言ったセリフです。
【説明】
「わかっとった」とは、「わかっとる」という状態を表す「とる」(=ている)の過去形です。
「とった」(=ていた)
つまり、「わかっとった」とは「わかっていた」という意味。過去の状態を表す意味。
─「よかよ」
そして、重松が馬場にこの仕事を引き受けてくれるか聞いた時、馬場が一言返事したんですね、
─「よかよ」(P39から引用)
と。 いやー、かっこいい!
【説明】
「よかよ」とは、「いいよ」という意味です。
「よか」は形容詞の「よい」の語尾の「い」がとれて、そこに「か」がつく。
これが博多弁の形容詞の言い方です。
【例】
- それすごくよか→それはとても良い
- この漫画面白か→この漫画面白い
- あんこ可愛か→あのこ可愛い
- うまかラーメンばい→美味しいラーメンだよ
- 気持ちよか→気持ち良い
- 酷くなか→酷くない
─「これ、原田市長やんか」
(↑P39から引用)これは「これ、原田市長だよね」という意味です。
語尾につく「やん」、これは関西弁の「やん」と似ています。また、意味は、関東の「じゃん」と似ています。
(※これを博多弁のイントネーションで言うのはいいんですが、関西弁なまりで言うと多分ヒンシュクかうかも。)
【例】
- うそやん→うそだろ
- 面白いやん→面白いよね
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─「晴らしちゃろう、ってことやね」
(↑P39から引用。)あるデカが福岡市長専属の殺し屋に殺されたので、その無念を重松と馬場らが晴らしてあげよう、と言ってるんです。
なので、「晴らしちゃろう」は「晴らしてあげる」という意味です。
【例】
- 湯をわかしちゃあよ。=湯を沸かしてあるよ。
- 湯をわかしちゃるばい。=湯を沸かしてあげるよ。
- 紹介しちゃるばい。=紹介してあげるよ。
こんな感じですね。
─「したばってん」
(↑p40から引用)「市長の悪事を暴こうとしたばってん、殺されてしまった。」という部分。
これは、動詞の「した」と「ばってん」がつながってます。「ばってん」は「けれども」という意味です。
【例】
- そのこと、せないかんと思っとったとばってん→そのこと、しなくてはいけないと思ってたのだけど
- お前は、そう思うかもしれんばってん、俺はあの子が好いちょるとよ→お前は、そう思うかもしれないけど、俺はあの子が好きなんだよ
─「坊主」
(↑P40から引用)警固公園で、馬場が重松デカと打ち合わせしている時に、馬場がその公演にいる子供に向かって「坊主」と呼んだシーン。
この坊主は、「小僧」と言う意味。子供を指して呼ぶ言葉。
もともは、「悪そう坊主」という「悪さをする小僧」という意味です。
「悪そうする」という動詞もあり、「悪さをする」「いたずらをする」という意味があります。
【例】
一般の生活の中では、
- あんこは、「悪そう坊主」で大変ばい。→あの子は、悪ガキで大変だよ。
- 坊主、ボール投げるの、うまかね→小僧、ボール投げるの上図だね
- 悪そうすると叱られるばい→悪いことすると怒られるよ
など使いますね。
─「待っときい」
(↑P40から引用)馬場が、坊主と読んだ子供に、木の枝にひっかかった風船をとってあげるから、少し待ってて、という時のセリフです。
- 「待っときい」=「まってて」
- 「行っときい」=「行ってて」
- 「それをしときい」=「それをしていて」
- 「ちょっと、アポまってくるけん、まっときい」=「ちょっと、トイレで大してくるから、待ってて」
どれも、少しの間、何かを相手にしていてほしい、という意味を表します。
これは、言外に、自分が貴方のところにまた戻ってくるから、それまでの間、◯◯しててくださいね、と言う意味になります。
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この博多弁を喋れると、貴方も博多っ子?!
という感じで、本を読んでいると、博多弁が結構出てきて、博多弁とこのストーリーとのつながりがとっても意味合い深くいいものです。
さて、ここでは、貴方がもっと博多に馴染むのに役立つ実際に使う表現を集めてみました。
当然の「くさー」
この言い方、独特でね、田舎もんと言われそうな感じもしますが、関東の人たちからすると、とってもいい風情を感じるのでしょうか?
- そらー誰でも知っとうくさー→それは誰でも知ってるよ
- お土産もらったらお返しせないかんくさー→お土産もらったらお返しをしなくてはいけないよ
- あいつは足はやかけん、一等になるくさー→あの人は足が速いから、当然一等になるよ
推量否定の「めえ」
これも博多のどんくささを感じさせる言い回しです。
- どうせ行かんめえもん→どうせ行かないでしょう
- あの人はそげんなことせんめえ→あの人はそんなことしないでしょう
- あんひとは、その料理は好かんめえ→あのひとは、その料理は好きじゃないでしょう
ぱがす
これは、「壊す」という意味。
- どげんしたら、この機械ぱがせるかいな?→どうやったら、この機械を壊せるかな?
- あー、あいつ、しぇんしぇが作った机をぱがしとー。→あー、あいつ先生が作った机を壊したよ。
ぱげる
意味は、「壊れる」
【例】
- これは頑丈やけん、ぱげんばい→これは頑丈だから、壊れないよ。
- そんな事したら、ぱげろうやー→そういうことしたら、壊れるかもね。
- あーあ、10年のっとった自転車やけん、ぱげようばい。→あーあ、10年乗ってた自転車だから、壊れていってるね。
- このiPhone落としたけん、もうぱげとうやん。→このiPhone落としたから、もう壊れてしまってるね。
馬鹿ちん
馬鹿ちんって、意外と圏外の人はわからない言い方ですよ。
- 馬鹿ちん、なんばしよっと!→バカタレ、何をしてるんですか!
はきもん
「はきもん」と聞いたら、圏外の人は床を掃くものと勘違いする人がいます。標準語では、靴なんかは「はくもの」「はきもの」なんていうでしょう。
- はきもん、なんもないっちゃん→履物が、何もないんだよ。
- はきもんが、こわれたっちゃん→履物が、こわてしまったよ。
すいとう
博多の人、福岡の人というのは、恥ずかしがり屋的なところあって、愛してるとか言わない人が多いのです。その理由は、「愛してる」という言葉自体が、博多弁の中にないからですね。
だから、愛してるとか、恋してるもですが、そういう意味を全て含んでいるのが、「すいとう」という好きを意味する言葉なんです。
- 俺、おまえんこと、なしてかわからんばってん、好いとうと。(俺、お前のこと、何故かわからないけど、好きなんだ)
- うちも、なんかなし、すいとーと。(私も、なんとなく好きなの)
博多ん子と恋愛したら、あんたも博多っ子ばい!
まとめ
どこの方言も、そこの地方の個性や地域性が出ていると思いますが、
博多弁は、泥臭さと、あったかさ、夏の熱い地方の人々のフレンドリーさが表れているのではないでしょうか?
このような台詞を理解したうえで、博多豚骨ラーメンズの小説を読み、郷愁を感じつつ、豚骨ラーメンを食べると、また一段と味わいが深まります。
この記事の続きはこちら! ⇒
博多豚骨ラーメンズの馬場探偵の決め台詞!博多弁の意味は? Part2
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