セミは土の中で7年、地上にでて1週間の命だといわれていました。
しかし、2~3週間生きていることがわかっています。 数週間の命をふ
るって鳴きつくすセミ。セミはなぜ鳴くのか、セミの一生は儚いのか、
セミがどんな虫なのかを追ってみました。
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セミの成虫の寿命
羽化して成虫したセミの寿命は1週間といわれていました。
しかし実は、2~3週間生きていることがわかっています。
なぜ1週間だといわれていたのでしょうか?
セミは飼育が難しく、捕まえて飼おうとしても、
1週間未満で死んでしまうので、
それが寿命だと 思われてきたのです。
それでも短い理由
1週間が2~3週間にのびても、 土の中で過ごす年数に比べれば、
やはり短いですよね。
成虫の仕事は、オスとメスが出会って、 交尾して子孫を残すこと。
そのために時間があるとしたら、十分な時間なのです。
メスにとって、オスの鳴き声を聴けば、
相手を見つけるのに時間はかかりません。
そもそも、セミは夏の虫なのに、暑さに弱いのです。
夏の終わりに成虫したセミは、
1カ月くらいは生きていることがあります。
セミの幼虫が土の中にいる期間と過ごし方
セミは土の中に7年、といわれていました。
セミは飼育が難しいため、地下中活に何年必要なのか、
実は、よくわかっていないのです。
ニイニイゼミが2~4年
アブラゼミが3~6年
といわれています。
セミの種類、飼育環境、個体の栄養や健康状態、
個体の生まれつきの生命力、などにより違いがあり、
2年で成虫する例も報告されているそうです。
それでも、地中生活はやはり数年間で、
昆虫の寿命の長さでは上位に入り、儚くはないのです。
木の上でメスが産みつけた卵から孵化したセミの幼虫は、
地面に降りて土の中にもぐります。
そして、木の根のしるを吸って、
何回か脱皮をくり返して大きくなります。
天敵に狙われやすい幼虫時代を、比較的安全で、
食べ物が確保できる土の中で過ごすのは、賢明なのです。
幼虫の穴を掘り返すと、木の根にあたります。
一つの木の根からしるが吸えなくなると、
次の木の根に掘り進めて移動します。
冬の間、寒くなると、より地中深くにもぐります。
セミは、幼虫と成虫とで、環境を棲み分けすることで、
自然に順応して繁栄してきたのです。
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セミが本当にかわいそうなお話
日本では「アリとキリギリス」のお話が、
イソップ物語の原話では「アリとセミ」なのです。
お話の要点をご紹介します。
森の中に北風が吹きはじめました。 夕食の準備に忙しいアリさんの家を 「はい、どなた?」 アリのおばさんがでてきました。 「こんばんは、私はセミです。 何かわけてもらえないでしょうか?」 「まぁ、セミさん!どうして冬に備えて 夏の間中、歌って遊んでいたのだから パタン! 弱っているセミさんの前で、
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参考 岩波文庫 「イソップ寓話集」 蝉と蟻たち
実際は、成虫したセミさんは冬まで生きられないので、
食料を集める必要はないのです。
なまけものの虫にされて、哀れなお話です。
セミはなぜ鳴くのか
「蝉時雨」という言葉があるように、
雨が絶え間なく降りつづける音のような、 一途なセミの鳴き声。
鳴くのはオスで、なぜ鳴くのかというと、
メスを呼び込むためです。
セミのメスは、良い声で鳴くオスを好んで
近づくことが知られています。
セミの♂♀の個体数は、だいたい同数で、
メスは一回だけしか交尾できないのに対して、
オスは相手を変えて何度も交尾できるので、
メスが惹きつけられてモテるオスと、
一度も結婚できないオスがいることになります。
繁殖は、生き物の宿命であり大目的。
殻から解き放たれて、鳴き始めた瞬間から、
寿命が尽きるまで、ただ一途。
求愛だけで、鳴いているとは信じがたいです。
いのちの合唱を、 力いっぱい歌って、身をつくしているのだと思うと、
儚いという感傷はむしろジャマに感じます。
仕事を終えた後は、葉っぱのように地面に落ちてポトリ。
やがて、アリに解体されたり、風に吹かれて分解されて、
また土の中に還り、樹木の養分になっていく(変態していく)のです。
土の中でゆっくりと成長に時間をかける賢明さも
地上にでてからの、いっけん刹那的なふるまいも
お見事な一生だと私は思いますが、 みなさんは、いかがでしょうか。
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