もうすぐ、梅雨の季節ですね。
雨が降ると、鉢植えのところとか葉っぱの上なんか
に、カタツムリを見かけることがあります。
今日は、このカタツムリの種類や、生態・特徴・
生息地について、調べたことを紹介します。
(日本国内に限定しています)
目 次
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カタツムリ
カタツムリとは、陸に棲む巻貝のことで、中でも
殻が細くないものをいいます。
また、当然、陸貝の中でも殻のないものには
ナメクジもいますが、カタツムリは殻があります。
日本では、一般的に、カタツムリに分類される
ものは、オナジマイマイ科・ニッポンマイマイ科の
種類が代表的らしいです。
しかし、それ以外にも実はたくさんいて、日本
国内だけで、約700〜800種類ぐらいはいます。
カタツムリは、自分で移動することが困難なので、
生息範囲も限られていて、そのために、地域に
よって、異なる種類のカタツムリが生息しています。
なので、地域に棲むカタツムリを調べていくと、
その地域の特徴もわかってきます。
カタツムリの種類の見分け方
カタツムリは、いろんな種類がいるし変種もいる
ので、見分けるのは大変ですね。
そこで、カタツムリの特徴で、だいたいの種類の
見分け方を紹介します。
サイズ | 殻の巻き | 特徴 | 種類 | |
2cm以上 | 左巻き |
ヒダリマキマイマイ(親・子)
|
||
右巻き | へそ穴は開く。筋があるものも、無いものもある。 | ミスジマイマイ(親・子) | ||
やや高い、丸みのある殻 | コベソマイマイ(親・子)
|
|||
1~2cm | 左巻き | ヒダリマキマイマイ(子) | ||
右巻き | 殻のヘリが尖ってて、巻きは高い | ニッポンマイマイ(親・子) ![]() |
||
筋がない、丸い殻 | ウスカワマイマイ
|
|||
平たい殻で、時に筋がある | 巻数少ない | ミスジマイマイ(子) | ||
巻数多い、巻き始めは茶か黒 | オナジマイマイ ![]() |
|||
巻数多い、巻き始めは、黄色か白 | コハクオナジマイマイ ![]() |
|||
縦の貝 | キセルガイ ![]() |
参考URL:自然しらべ2004 カタツムリをさがそう(日本自然保護協会)
上の一覧は、「自然しらべ2004 カタツムリをさがそう」の情報を参考に作成しました。
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カタツムリの紹介
では、日本にいるカタツムリの中で、主なものを
ピックアップして、その特徴や生息地・サイズなどを
紹介しますね。
キセルガイ科・オオギセル
提供:https://ja.wikipedia.org/wiki/オオギセル
▲日本のキセルガイ科に属するオオギセル
- 【分類】キセルガイ科。その中の、オオギセル種。
- 【生息】木の幹、落ち葉の下、岩陰、石灰岩地、
木の幹、洞穴周辺。一箇所にずっと住み続けている。 - 【特徴】形が喫煙用具の煙管に似ているので、
キセルガイと呼ばれるようになる。
細長い巻貝をもち、世界最大の巻貝で、厚質な
貝殻を持つ。 - 【サイズ】殻の長さ:5CM、殻径:1CM。
殻の形は、紡錘形、左巻きが特徴。 - 【色】殻の色は、淡褐色〜紫褐色で、たまに
黄白色の個体もいる。 - 【活動】身体と比較して殻が大きすぎるため、
活発に動けない。
そのため、殻を引きずるようにして、移動する。 - 【寿命】長いものがほとんど。数年〜10年以上。
- 【生息地】本州西部〜四国の森林の、落葉の下に
生息。 - 【個体数】絶滅危惧の指定。森林の伐採などで
生息地が減少。絶滅危惧に指定されてる府県は、
大阪府、香川県、京都府、鳥取県、高知県など。
オナジマイマイ科・オナジマイマイ
提供:https://twitter.com/search?q=オナジマイマイ
- 【分類】オナジマイマイ科
- 【生息地】人家付近、庭園、田畑。北海道南部
以南の各地。草木の根元などに潜んでいます。
山林にはいません。 - 【食べ物】野菜や苗
- 【原産地】東南アジア
- 【分布】東南アジアから、チャノキ、さつまいも、
サトウキビなどの農作物に付着して、世界各地に
広がった。 - 【特徴】成貝は、殻高は1.3cm、殻径は1.8cm。
やや小型になる。 - 【色】貝殻は、半透明の黄褐色か、褐色。
褐色の色帯が一本入るものと、入らないものと
がある。軟体部は、淡褐色。 - 【産卵期】春〜秋。特に、6月〜8月。秋に交尾
した個体はそのまま越冬して、翌年春に産卵する。
一度の産卵数は約20個。産卵後、2〜3週間で孵化。
生後100日ほどで、おとなになり、繁殖可能なる。 - 【寿命】3年
オナジマイマイ科・ウスカワマイマイ
出典:https://twitter.com/ogasawarashicho/status/876742879036686336
- 【分類】オナジマイマイ科
- 【特徴】半透明の殻をもつ。
- 【生息地】北海道南部〜九州。日本産カタツムリでは、
オナジマイマイに匹敵する広い分布の広さを持つ。
人家近くの庭園、農耕地などに良く見かけられる、
明るい環境が好きなカタツムリ。
南日本では、海岸のハマユウの根本に集まって
いる時もある。昼間は作物の根っこや、石垣の
隙間などに隠れているが、夜に這い出して活動
する。 - 【好きな食べ物】農作物などを食い荒らすことが
多い。 - 【サイズ】成長した貝は殻高2cm、直径2.5cmほど。
- 【色】殻は半透明の褐色で薄い。軟体は一様な
クリーム色。殻の内側に不規則な黒班が現れ、
殻を透かしてこの黒斑が見える。 - 【繁殖時期】春と秋
- 【寄生虫】ハエが、ウスカワマイマイを宿主と
して、捕食寄生することもある。 - 【飼育】小型なので、小さい瓶の中に入れて
飼育が可能。
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オナジマイマイ科・アワマイマイ
出店:https://twitter.com/yutawaki3353/status/809285043243794432
- 【分類】オナジマイマイ科
- 【生息地】四国
- 【特徴】殻高2.5cm、殻径4.5cmで、大型。
日本で最大のカタツムリの一種。 - 【色】茶褐色で、一本の淡い黒帯がある。
外唇は白く反転する。臍孔は広くて、浅い。 - 【分布】四国の黒森山、福見山
- 【生息状況】山地の広葉樹林内で生息。絶滅危惧種1類。
自然林の伐採や、山林の荒廃により、個体数が減少。
(参考URL: http://www.city.matsuyama.ehime.jp/shisei/hozen/red/group8/2_29/)
オナジマイマイ科・ヒダリマキマイマイ
出典:https://twitter.com/jungleTV_now/status/920106534532608000?s=20
- 【分類】オナジマイマイ科
- 【生息地】本州の中部地方、関東地方、
東北地方に分布。伊豆諸島、石川県舳倉島、
山形県飛島などの周辺離島にも分布。 - 【特徴】殻の高さ:3.3cm、殻の直径:5cm
軟体の背面は、黄褐色の反転が点在している。
湿った場所を好み、森林、草原などに生息している。 - 【個体数】宅地造成により、個体数が減少
- 【餌】枯れ葉、きのこ、藻類、さつまいも、
イカの甲 - 【交尾時期】5月
- 【産卵】7〜9月。一回の産卵で、30〜40個の
卵を産む。最多で120個。卵は、30〜40日で
孵化する。秋に産卵するとそのまま越冬して、
翌春に孵化する。 - 【飼育】大型で活発、飼育もしやすい。ペット
としては、最良のでんでんむし。ブロックなどの
カルシウムを良く摂取する。苔も良く食べる。
オナジマイマイ科・ミスジマイマイ
提供:https://twitter.com/NTC_ikimon/status/591489485705072640
- 【学名】Euhadra peliomphala
- 【分類】有肺目オナジマイマイ科
- 【生息地】関東地方南部、中部地方東部、
伊豆諸島の神津島以北に分布。和名は、殻に
はっきりと3本の色帯が目立つので付けられた
名前。 - 【生態】平野から山地の広葉樹の疎林などに生息。
庭園などにもみられる。地上から樹上にまでいる。
高温、高湿度では、樹上を這い回り、気温が
16度・湿度70%を下がると、休眠する。 - 【繁殖期】4月〜10月。特に、春から初夏に産卵。
産卵数は30〜40個。最大150個。
ナンバンマイマイ科・ニッポンマイマイ
- 【分類】ナンバンマイマイ科
- 【学名】Satsuma japonica(Pfeiffer,1847)
- 【サイズ】
- 殻高:1.2cm~2cm
- 殻径:1.5cm~2.3cm
- 【時期】4~11月
- 【分布】本州に広範囲に分布。静岡県でも、
海岸の低地から産地まで、生息。 - 【特徴】黄褐色~濃褐色。山形の殻が特徴的。
林などの草むらに良く見かける。
殻の模様に変異があり、個体によって、模様の
あるもの、ないものなど色々ある。 - 【餌】野菜、苔
- 【個体数】数が激減している。
- 【飼育】水苔は痛みやすい。傷んだら、新しい
水苔に交換して、底部にはサンゴ砂などを敷くと
良い。
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ナンバンマイマイ科・オトメカタマイマイ
- 【分類】ナンバンマイマイ科
- 【生息地】小笠原諸島のみ。低標高の乾性林から
高標高の雲霧林まで幅広く生息。林内の木の上
にいる。母島中部、南部に生息。 - 【特徴】塩分には耐性がある。
海の貝のような殻の硬さを持ち、
重くて、表面の光沢がきれい。
殻の美しい彫刻の模様が特徴。 - 【色】黄、橙、赤、茶、紫、緑、白、黒などの
色帯をまくが、色帯がない場合もある。
ヒメカタマイマイと似ているが、雄性生殖器の
形態がヒメカタマイマイとは違う。
本土のカタツムリとは著しく異なる。 - 【サイズ】殻径1.6cm~2.35cmと多様なサイズ。
殻長1.15〜1.7cm。 - 【多様性】
- 殻のデザインは非常に多様性があり、個体に
よりずいぶん違う。
・背の高い殻のあるもの
・殻の周辺が鋭く角ばるもの
・表面が非常につややかなもの
・表面彫刻が美しいもの
・陶磁器のような質感のあるもの - 島ごと場所ごとに形態的な分化が著しい。
- 殻のデザインは非常に多様性があり、個体に
- 【個体数】開発などに伴い、生息地が減少して
いる。外来種などによる影響もある。
カサマイマイ科・オオカサマイマイ
- 【分類】カサマイマイ科
- 【生息地】
北は、鹿児島県の薩摩半島、奄美大島、徳之島、
それに、沖縄本島とその周囲の久米島、
平安座島、宮城島、伊平屋島、伊是名島に生息。 - 【特徴】殻は平らな円盤状に渦を巻いている形。
- 【殻のサイズ】高さは、5〜7mmで、殻の直径
は17〜25mm。殻の縁は鋭い稜になっている。
生きてる時は半透明な殻を通して、軟体部の
斑模様が透けて見える。 - 【飼育】通常のカタツムリと同様に飼育可能。
水苔は傷みやすいので、傷んだら直ぐに交換
した方が良い。
ケースの底部には、ピート・腐葉土など、
酸性にする材料を敷くと良い。
まとめ
日本に存在するカタツムリについて調べてみると
生物のおもしろさに魅了された感じがします。
特に、ナンバンマイマイ科のオトメカタマイマイは、
小笠原諸島にしかいないカタツムリですが、
その形や色などの多様性が、すごく面白いですね!
その形態的な分化がなぜ起きたのか
まだ、はっきりと解明されていない、と言われて
いますが、それは、もしかするとカタマイマイの
遺伝子自体にそのような多様性を許すような
遺伝子コードが、生まれた時からあるから?
これからは、雨の日に道を歩いているときに
道の片隅や、草むらの中にいるカタツムリを
観察してみたくなりましたね。
みなさんも、カタツムリの観察、いかがですか?
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