9月9日の重陽って、皆さんあまり聞きませんよね。これって一体どんな意味なんだろう?と、思いませんか?
どんな意味があるのだろうとか、何をする日なのだろうとかそういう疑問について、お答えしたいと思います。
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重陽とは何か?
重陽とは、五節句の一つで、9月9日のことです。
昔は、旧暦だったので、今の9月は、旧暦では、9月下旬~11月上旬頃になるんですね。この頃に咲く花が菊です。だから、重陽は「菊の節句」とも言います。
菊の花〜四君子の花
重陽と菊の花は関係が深いので、ここで花について少し書いてみたいと思います。
菊
菊の花は、もともと中国からもたらされたものです。
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素材提供元:Sozai-dx.com(秋) |
菊の花の高貴な美しさは君子(=聖人。人格が高く清らかでその生き方が他の人達の模範となるような人のこと)のようであると言われ、草木の中でも最も美しい4つの植物(四君子)の一つとされています。この四君子には、蘭(春)、竹(夏)、菊(秋)、梅(冬)があります。この四君子の植物が日本の四季を表しているというのもなかなか風情があって良いものです。
後鳥羽上皇が身の回りのものに使用したことから、天皇や皇室の紋となりした。
また、南北朝時代以降は、天皇から公家や武士などに菊の花を下賜(身分が上の人が下の位の人にものを与えることを)したので、公家や武家の間では菊の花を家紋のデザインに使用するようになりました。
蘭
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素材提供元:Sozai-dx.com(春) |
蘭の花は非常に独特な形をしていて花びらの形が特徴的です。また、その種類も非常に多く、230種あると言われています。六枚の花びらは、全てが違う形ではなく、左右が対象になります。
この違う形の花びらがふんわりと包みこむそのたたずまいは非常に美しいものです。
竹
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素材提供元: Photo-ac(夏) |
竹は、皆さん、もう良くご存知だと思います。私は以前住んでいたところの近くには竹林がありました。竹林の中を歩くと非常に心が落ち着きます。まるで瞑想をしてるような感じさえします。
竹は、温暖で湿潤な地域に育ちますが、笹は寒冷な土地でも育ちます。竹は成長力が強く、1日に1m成長する時もあるほどです。竹の茎が地面のなかを広く覆うのが特徴的です。
日本の竹類は、孟宗竹と呼ばれるもので、高さは最高で25mぐらいまで成長します。竹の幹は成長し、枝分かれして伸びていきます。 冬でも寒さに負けない強い生命力を持ちます。
梅
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素材提供元:Sozai-dx.com(冬) |
梅は、冬の寒さにも負けずしっかりと育ち、小さく清らかな美しい花を咲かせます。色は白からピンク、赤の色が混ざっています。
中国では人々に愛され、詩の中でも読まれたほどです。
冬の終わりから春の初め頃にかけて咲きますが、中国では、日本よりも2〜3ヶ月ほど早く(11月~翌年1月頃)開花します。中国では、日本の真冬の季節に咲く事になります。
また、梅の実は皆さんも良く知っての通り、梅干し、ジャム、梅酒などで食べたりします。栄養の面は、酸味がつよくクエン酸などの有機酸が沢山含まれますので、健康にも良いですよ。
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節句とは?
ということで、4君子の話について説明しましたが、その中の菊という花が、重陽という節句の呼び名に使われていることまでがわかりました。
では、その「節句」の意味はなんだろうか?と思い調べてみました。
節句というのは、中国から由来したものです。
日本の伝統的な年間の行事をする場合に、それぞれの行事は、一年の各季節において行事が行われますが、その行事が行われる季節と季節の区切り(季節の節目)が、節句と呼ばれます。
そして、日本にはいろんな節句があるんですが、その中でも、代表的な5つの節句があります。これらの節句は、江戸時代に江戸幕府が公的な行事をおこなう祝日に定め、五節句といいます。
当時は、この五節句それぞれの日に、お祝いするためのごちそうをつくりました。その料理が節句料理です。
しかし、現在では、五節句のうちの一つである人日(じんじつ、1月7日)に作ったおせち料理を指すようになりました。
重陽の日にちの意味は?
この重陽の日にち、9月9日は、9という数字が重なりますが、この奇数の一桁の数字は「陽」を意味すると考えられていましたが、その中でも最大の9という数字が2つ重なる月日は陽の力が強くなりすぎて「不吉」に転じると考えられていました。
しかし、いつの頃からか、この重なりを吉祥と考えるようになり、祝いをする行事の日となりました。
ここに関しては、皆さんの中には、不吉と吉祥では正反対ではないか・・・と思う人がいるでしょう。
私も同感です。古い良き美しきものはとても大切にしたいと思うのですが、このような占い的な事については、占いによって吉と出たり、不吉と出たりで、見方が全く変わってしまいます。
私たちがとるべき姿勢は、それぞれの占いで、前向きな見方でとらえて、謙虚な気持ちで自分を振り返り、自己変革出来るところは軌道修正して、さらに良い人生を歩むというのが良いのではないかと思います。
重陽の日に何を祝うの?
ではこの重陽の日には、どんなことをするのでしょうか?
それは平安時代の頃から菊の花を浸した日本酒である菊酒を飲む風習がありました。
また、春の季節に飾った雛人形を出してきて、また飾ったりもします。この風習を「秋の雛」と呼びます。
菊の香りを嗅ぎながら菊酒を飲み、菊の香りが心身に浸透して邪気を取り除き、身を清めて、長く生きられますように…と祈ります。
そして、雛人形を観ながら、秋の風情を味わうのです。
秋の涼しい風を感じつつ、菊の風味の酒を飲む~
いいもんですね・・・
でも飲み過ぎには注意しましょうね。
参考文献
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